発火と長持ちは別物だった。Steam 12本を同じ日に測って、次に作る物の判定表にした

目次(54)
- 結論から書きます
- 発火量で92倍の差がある2本が、今日、同じ桁しか残していない
- もう1つ。発火は、発売日に起きるとは限らない
- ここまでで言えること
- ここから先(有料部分)に入っているもの
- 12本の全数字(2026-09-20 実測)
- 1本ずつの分解
- PEAK — 今日の同接が5桁・残り方がいちばん良かった1本
- R.E.P.O. — 同接5桁のもう1本
- Schedule I — 発火量1位。ただし勝負は発売前についていた
- Balatro — 無料の見た目だけの追加で、発売時より大きい山を作った
- Slay the Spire — 発火をほぼ捨てて、長持ちだけで8.8年
- Vampire Survivors — 安く出して、値段を上げずに中身を足し続けた
- Buckshot Roulette — 「売れる」と「遊ばれ続ける」が別だと、いちばんきれいに出た1本
- Lethal Company — 発火2位。総レビュー数は12本中1位。今日の同接は4桁の下端
- 8番出口 — 今日の同接が2桁だった、12本中ただ1本
- Content Warning — 24時間で620万人・同接20万超。今日、495人
- Tiny Glade — 目的がない
- Luck be a Landlord — 対照群。発火しなかった1本
- スイカゲーム — 発火が発売日と無関係に起きうることの、最も強い証拠
- モバイル継続型3本 — 規模は真似できない。装置だけ借りる
- 長持ちの装置は、2つしかなかった
- 発火と長持ちを両立した4本
- 中毒だけで消えた4本
- オンライン協力プレイは、発火を買うが長持ちは買わない
- 2回目の発火は、1回目より大きいことがある
- スイカゲーム型を今から iOS で選んだ場合の穴3つ
- 穴1: Apple の 4.3(b) は「必ず落ちる」条文ではないが、通るには条件がある
- 穴2: 同じ棚に多数が並んでいて、本家が最上位にいない
- 穴3: 長持ちの装置が無い
- この節の結論
- 企画の判定表(13列)
- 使い方
- 埋める順番
- この分け方が効かない点(正直に)
- 数え方(生ログ)
- いつ
- 発火(月ごとのレビュー数の山)
- 長持ち(今この瞬間に遊んでいる人数)
- 母集団のずれ
- 価格・発売日・機能分類
- 開発元自身の発表
- 他社製品の数と、本家の位置
- スイカゲームの現在のDL数
- 引用の照合
- 相関と中央値
- 総アクセス数(自分が出した呼び出しを1件ずつ数えました)
- 取れなかったもの(推測で埋めていません)
- 開けなかった・使わなかった出どころ
- 自分の結論を壊しにいった3点
- 1. 結論を1対1の比較に寄りかからせたが、2本の選び方次第で逆の話も作れる(残っています)
- 2. 「残存指数」は自作の物差しで、しかも発火とは別の母集団の上に乗っている(残っています)
- 3. 12本が Steam に偏っている(一部潰した。偏りは残っています)
- まとめ
次に何を作るかを決めようとして、手が止まった。
「よく売れたゲーム」と「長く遊ばれているゲーム」を、私はずっと同じものだと思っていた。売れたなら遊ばれているはずだ、と。確かめずに信じていたので、確かめることにした。
2026-09-20、Steam の公開APIを叩いて12本を同じ日に測った。 測ったのは2つだけ。
発火量 — 発売月と翌暦月のうち、レビューが多かったほうの数。「出た直後にどれだけ人が来たか」の代理値
今日の同時接続 — 測った瞬間にそのゲームを起動している人数。「今も遊ばれているか」
この記事の数字は、断りがない限り 2026-09-20 に自分でコマンドを叩いて取った値です。開発元が自分で発表した数字を使うときは、誰がいつ言ったかを毎回書きます。
結論から書きます
発火と長持ちは、別の装置で動いている。
正確に言うと、この12本で証明できたのは弱い形のほうです。「発火が大きいほど長持ちしない」ではなく、「発火が大きくても、長持ちするとは限らない」。反例が1つあれば立つ形にしてあります。そして反例は、きれいな形で出ました。
発火量で92倍の差がある2本が、今日、同じ桁しか残していない


Slay the Spire Lethal Company
----------------------- ------------------- --------------------
発火量 1,007(12本中11位) 92,430(12本中2位)
発売からの月数 106か月(8.8年) 35か月(2.9年)
今日の同時接続(17:36) 8,370 = 4桁 2,039 = 4桁の下端
11分後(17:59) 8,584(+2.6%) 1,882(-7.7%)
レビュー総数 218,625 510,964(12本中1位)出た直後に来た人数で 92倍 の差がある2本が、今日、同じ桁の人数しか残していません。 しかも小さく燃えたほうが 71か月(約5.9年) 長く生きていて、今日その瞬間に遊んでいる人は 4倍多い(上の表の 106か月 − 35か月。8,370 ÷ 2,039 = 4.10)。
Lethal Company は死んだゲームではありません。レビュー総数は12本中いちばん多く、2,039人がいま遊んでいます。ただ、発売直後の勢いのうち、今まで持ち越せた分が小さい。 発売から2か月だけで、レビュー履歴の合計の 43.7% が積まれています。あの2か月に来た人の多くは、もういません。
Slay the Spire は逆です。発売時にはほとんど燃えなかった(12本中11位)。それが2年かけて燃え広がり、生涯で最大の月は発売の2年後(初期の月の 8.04倍)。そして8.8年後の今日も4桁が起動している。
なぜ相関ではなく、この2本で書くのか
12本全部で「発火量」と「残り方」の順位相関も計算しました。結果は 0.21(ほぼ無関係)。でも私はこの数字を結論の根拠にしていません。測定に雑音が乗っているからです。
発火を測るAPIは「Steam で買った人の好評だけ」を返すのに対し、レビュー総数はキー配布や無料配布も含みます。この母集団のずれが銘柄ごとに 5.3%〜55.7% とばらばらで、公開APIではそろえる手段がありません。雑音は相関を 0 に近づける方向に働くので、0.21 を「無関係の証拠」として強く使うことはできない。
だから結論は、同じやり方で測った2本の1対1の比較に置きました。平均も相関も使っていないので、この雑音の影響を受けません。(母集団のずれは Slay the Spire 12.3%、Lethal Company 19.5% で近く、この比較を歪めるほどではありません。)
もう1つ。発火は、発売日に起きるとは限らない

ここが、作っている側にとっていちばん効く話でした。
スイカゲームの Switch 版が出たのは 2021年12月。点火したのは、その約21か月後です。開発元 Aladdin X 自身が、取材で数字を出しています。
数字としては、Nintendo Switchソフトでの発売開始(2021年12月)から話題になる前(2023年9月上旬)までの約1年9ヵ月で約2300DLであったものが、この2ヵ月で366万DLという数値になっております。
(出典: ファミ通.com のメール取材・2023-11-08。発言は開発元 Aladdin X の担当者。2026-09-22 に原文を取り直し、1字ずつ照合しました)
約2,300 → 366万。約1,590倍。
同じ取材で、開発元は自分たちが異変に気づいたのは配信で話題になった後だったと語っています。ダウンロードが伸び始めたのは9月上旬だが、気づいたのは9月中旬にストアのランキング上位に入り始めたときで、その翌日にはもう1位だった、と。作った側ですら、点火の瞬間をリアルタイムでは見ていない。 価格が240円だったことも、購入のハードルを下げた要因のひとつとして挙げています。
この1本は、私の企画の順番を変えました。「発売日に燃えなかったから失敗」は、少なくとも1本の反例では成り立たない。 1年9か月後に拾われたとき、まだ遊べる形で置いてあるかどうかのほうが効いた。
ここまでで言えること
発火が大きくても、長持ちするとは限らない(92倍の差 → 同じ桁)
発火は発売日に起きるとは限らない(21か月後に約1,590倍)
だから「良い物を作れば売れる」も「バズれば残る」も、この12本では立たない
では、何が長持ちを作っているのか。12本を1本ずつ分解すると、装置は2種類しか出てきませんでした。 今日の同時接続が5桁・4桁だった7本は全部どちらかを持っていて、2桁まで落ちた1本はどちらも持っていない。
ここから先(有料部分)に入っているもの
12本の全数字(発火量・生涯最大の月とその倍率・今日の同時接続・レビュー総数・残り方の指数)と、1本ずつの分解(発火の装置・中毒の装置・長持ちの装置を、出典つきで)
長持ちの装置は2つしかなかった — その2つが何か、両立した4本と消えた4本の名指し
オンライン協力プレイは発火の中央値を約13倍にするが、長持ちの差は1.77倍しかない(実測値つき)
発売月より大きい山を後から作った4本と、その仕込み方
スイカゲーム型を今から iOS で選んだ場合の穴3つ — Apple の審査規定 4.3(b) の原文の読み方(ここを途中で切ると結論が逆になります)、日本と米国の App Store で本家がどこにいるかの実測
企画の判定表13列(A〜M)と使い方 — どの列が空欄だと何が起きるかを、12本の実測で裏づけたもの
数え方の全部(生ログ) — 叩いたAPIのURL、週バケットの日割り按分、母集団のずれの全銘柄の表、相関の出し方。同じ手順で誰でも測り直せます
取れなかったもの27件と、自分の結論を壊しにいった3点
無料の公開APIだけで、費用 ¥0 で測ったものです。同じコマンドを全部載せてあるので、あなたの手元でも測り直せます。
12本の全数字(2026-09-20 実測)
同時接続は 17:36 JST の値。同時接続と、そこから作った指数は分単位で動きます。 実際、17:36 と 17:59 の2回の測定で、下の帯の10位と11位が入れ替わりました。だからこの記事では、下の帯を順位で語らず「桁」で読みます。 桁は3回の測定すべてで1本も動きませんでした。
銘柄 発火量 生涯最大の月(山/発火) 今日の同接 桁 レビュー総数 残存指数
------------------ -------------- -------------------------- ---------- --- ------------ --------
Schedule I 123,816(1位) — 6,972 4桁 316,465 220.3
Lethal Company 92,430(2位) — 2,039 4桁 510,964 39.9
R.E.P.O. 62,301(3位) — 13,529 5桁 424,541 318.7
PEAK 36,820(4位) 65,330 / 2025-11(1.77倍) 15,639 5桁 372,992 419.3
Vampire Survivors 18,230(5位) 34,188 / 2022-02(1.88倍) 3,832 4桁 265,874 144.1
Buckshot Roulette 15,610(6位) 26,393 / 2024-11(1.69倍) 774 3桁 126,204 61.3
Balatro 12,715(7位) 22,108 / 2024-11(1.74倍) 5,683 4桁 198,773 285.9
Content Warning 10,676(8位) — 495 3桁 163,476 30.3
Tiny Glade 4,843(9位) — 276 3桁 24,669 111.9
8番出口 2,826(10位) — 45 2桁 11,600 38.8
Slay the Spire 1,007(11位) 8,099 / 2019-11(8.04倍) 8,370 4桁 218,625 382.8
Luck be a Landlord 385(12位) 1,042 / 2021-03(2.71倍) 109 3桁 11,542 94.4発火量 = 発売月と翌暦月のうち多いほうのレビュー数。週単位で返る4本は日割りで暦月に按分してあります(方法は後述)
山 / 発火 = 生涯で最大の暦月のレビュー数が、発火の何倍か
残存指数 = 今日の同時接続 ÷ レビュー総数 × 10,000。これは私がこの記事のために作った物差しで、業界の標準でも Valve の公式指標でもありません。 使い方の限界は「この分け方が効かない点」に書きます
「—」は生涯最大の月が発売直後で、後から大きい山を作っていない、または値を取っていない銘柄
1本ずつの分解
各銘柄とも、3層(発火・中毒・長持ち)それぞれについて一次情報で取れたかを書きます。取れなかったものは「取れなかった」と書いて、推測で埋めません。
PEAK — 今日の同接が5桁・残り方がいちばん良かった1本
2チームの小規模(Aggro Crab + Landfall)。発売 2025-06-16、¥545。
発火: 按分後 36,820(4位)。装置は「安い・オンライン協力・登り損ねて落ちる失敗が、そのまま1本の動画になる」。開発元自身が1周年の投稿で、1か月のゲームジャムで作った物から始まったと書いています(Steam のお知らせ・2026-06-16)
中毒: 1回が登頂か死で必ず閉じる。毎回違う山と持ち物(店頭ページの開発元の説明より)
長持ち: 生涯最大の月は発売月ではなく 2025-11(65,330・発売月の1.77倍)。同月に無料の大型追加「THE ROOTS」(2025-11-05)と受賞ノミネートの告知が並んでいます。今日の同時接続 15,639
取れなかった: 販売本数の開発元自身による発表(Steam のお知らせ全91本を機械で洗って0件)。1回あたりの実測分数
R.E.P.O. — 同接5桁のもう1本
小規模(semiwork)。発売 2025-02-26、¥780。
発火: 按分後 62,301(3位)。6人までのオンライン協力で、物理演算で動く高価な物を運ぶ。持ち物を落として割る失敗が、そのまま笑える動画になる(店頭ページの開発元の説明より)
中毒: 1回が搬出の成否で閉じる。物理挙動なので毎回違う事故が起きる
長持ち: 無料の大型更新を数か月おきに出し続けている(2025-10-30「Monster Update」、2025-12-12 の車両追加など。Steam のお知らせ53本を機械で列挙して確認)。今日の同時接続 13,529
取れなかった: 販売本数の開発元自身による発表。1回あたりの実測分数
Schedule I — 発火量1位。ただし勝負は発売前についていた
個人1名(TVGS)。発売 2025-03-24、¥2,300。按分後の発火 123,816 で12本中1位。
発売前日の本人の投稿にこうあります。
so far to date over 1.7 million players have played Schedule I: Free Sample!
(出典: Steam のお知らせ・2025-03-23。投稿者は開発者本人)
発売前に、無料デモを170万人に配り終えていた。 さらにそのデモに、発売の2か月半前(2025-01-09)の時点で協力プレイを先付けしています。
中毒: 経営の1日が輪になり、作った拠点が残る
長持ち: 今日の同時接続 6,972(4桁)。発火1位に対して、残り方は12本の中位です
取れなかった: 販売本数の本人による発表。デモから製品への転換率
Balatro — 無料の見た目だけの追加で、発売時より大きい山を作った
個人1名(LocalThunk/発売 Playstack)。発売 2024-02-20。直前に Steam Next Fest の実演配信を2本(2024-02-05・02-06)。
発火: 12,715(7位)。開発者本人の投稿で、発売1か月で全機種合計100万本(2024-03-18)、半年弱で200万本(2024-08-07)
2回目の発火: 生涯最大の月は 2024-11(22,108・発売月の1.74倍)。同時期にあったのは無料コラボ更新「Friends of Jimbo」(2024-08-27/10-24/12-12)と受賞ノミネート(2024-11-18)。追加したのは無料の見た目だけ。それで発売時より大きい山ができています
中毒: 判定を遅らせて、1枚ずつ数字を積み上げる
長持ち: 150種のジョーカーの、まだ見ていない組合せ。今日の同時接続 5,683(4桁)
取れなかった: 1回あたりの実測分数
Slay the Spire — 発火をほぼ捨てて、長持ちだけで8.8年
2名(Mega Crit)。早期アクセス開始 2017-11-15。
発火: 最良の初期月は 2017-12 の 1,007レビューで 12本中11位。それなのに生涯最大の月は 2019-11 の 8,099(初期の 8.04倍)。発売時に燃えたのではなく、2年かけて燃え広がった
中毒: 数字が全部見えた上での選択
長持ち: 4キャラクター × 350枚超のカードの組合せ+毎日のデイリー。発売から106か月後の今日、同時接続 8,370(店頭ページ)
取れなかった: 2019-11 に山ができた原因。 当時の開発元のお知らせは週次の進捗報告のみで、大型更新 V2.0 は 2020-01-14。セールか外部の話題かを特定できなかったので、原因は書きません
Vampire Survivors — 安く出して、値段を上げずに中身を足し続けた
個人1名(poncle)。早期アクセス 2021-12-17、¥499。
発火: 18,230(5位)。山は 2022-02 の 34,188(1.88倍)
中毒: 30分で必ず終わる。死んでもゴールドが残る
長持ち: 恒久強化と未解放のキャラクター。今日の同時接続 3,832(4桁)(店頭ページ)
取れなかった: 販売本数の開発元自身による発表(Steam のお知らせ99本に記載なし)
Buckshot Roulette — 「売れる」と「遊ばれ続ける」が別だと、いちばんきれいに出た1本
個人1名(Mike Klubnika/発売 CRITICAL REFLEX)。発売 2024-04-04、¥350。itch.io で先に出してから Steam。
発火: 15,610(6位)。発売13日後に発売元が Steam で100万本突破を報告(2024-04-17)
発表の単位が途中で変わっています(原文を1本ずつ当たりました): 本数(copies sold)で言っているのは 100万(2024-04-17)・200万(2024-07-05)・400万(2024-12-10)の3本まで。 それ以降は "High Rollers"=遊んだ人数で、600万(2025-05-08)・800万(2025-12-23)・900万超(2026-04-04)。本数と人数は別の単位なので、繋げて1本の伸びとして読めません
2回目の発火: 生涯最大の月は 2024-11(26,393)で、発売月 15,610 の1.69倍。前月末(2024-10-31)に後付けのマルチプレイを出しています。足したのはマルチだけで、発売時より大きい山ができた
中毒: 1回が数分。弾の残りを数える駆け引き
長持ち: 今日の同時接続 774(3桁)。売れた本数も遊んだ人数も百万の桁なのに、今この瞬間に遊んでいるのは3桁。 買った人が1回遊んで満足する型です
取れなかった: 1回あたりの実測分数。itch.io 版の配布数
Lethal Company — 発火2位。総レビュー数は12本中1位。今日の同接は4桁の下端
個人1名(Zeekerss)。発売 2023-10-23、¥1,200。
発火: 発売翌月 92,430レビュー、翌々月 92,383。この2か月だけでレビュー履歴の合計 422,847 の 43.7% が積まれました(分子・分母とも同じAPIの中で数えています)。装置は「4人オンライン協力・怖がって叫ぶ失敗が、そのまま実況の画になる」(店頭ページの開発元の説明より)
中毒: 1回が搬出か全滅で閉じる
長持ち: 弱い。 今日の同時接続 2,039(17:36)→ 1,882(17:59、-7.7%)。総レビュー 510,964 は12本中1位なのに、同接は4桁の下端
取れなかった: 販売本数の本人による発表は存在しません。 出回っている「1,000万本」はレビュー数からの第三者の推計であって開発者の発表ではないので、根拠に使いません
8番出口 — 今日の同接が2桁だった、12本中ただ1本
個人1名(KOTAKE CREATE/発売 PLAYISM)。発売 2023-11-29、¥329。
発火: 2,826(10位)。装置は「1回が数分で終わり、そのまま1本の動画になる」「異変に気づけるか、という真似したくなる失敗」。発売元の発表で累計140万DL(PLAYISM・2025-03-27)
中毒: 見比べて、進むか引き返すかの二択のみ(店頭ページの開発元の説明より)
長持ち: ほぼ無い。 今日の同時接続 45人(17:36)→ 53人(17:59)。12本の中でただ1本だけ2桁。 異変を全部見たら終わる=長持ちの装置を最初から積んでいません
取れなかった: 開発者本人が発火の理由を語った一次情報。映画化・続編の売上
Content Warning — 24時間で620万人・同接20万超。今日、495人
小規模5名(Landfall)。発売 2024-04-01。発売から24時間だけ無料にしました。翌日の開発元自身の投稿。
never did we imagine that we would get over 200K concurrent and over 6.2 MILLION owners of the game in 24h
(出典: Steam のお知らせ・2024-04-02。投稿者は開発元 Landfall)
さらに店頭の説明が「友達が怖い目に遭うところを撮って有名になれ」という内容で、動画を撮って投稿することがゲームの中身そのものです。遊ぶと宣伝素材ができる。
中毒: 1回が撮影と生還で閉じる。協力プレイの事故が中身
長持ち: 12本の中でいちばん弱い。 今日の同時接続 495(3桁)、残存指数 30.3。17:59 に測り直しても 508(31.1)で最小のまま変わりませんでした
この銘柄は母集団のずれも12本中最大です(後述の all と steam の差が 55.7%。2番目の R.E.P.O. 19.7% の約3倍)。原因は取れませんでした。 「無料配布でレビューが膨らんだからだ」と言いたくなりますが、その因果はこの記事では確かめていないので書きません
取れなかった: 有料化後の販売本数の開発元自身による発表。ずれが 55.7% になる原因
Tiny Glade — 目的がない
2名(Pounce Light)。
発火: 按分後 4,843(9位)。2024年6月の Next Fest の会期終了時に、本人たちが100万ウィッシュリスト突破を報告しています(Steam のお知らせ・2024-06-16)。会期中に報道された「80万超」という数字もありますが、どちらかが誤りなのではなく、時点が違うだけです
中毒: 置いた瞬間に周りが生える
長持ち: 目的が無く、作った物と撮影だけ。今日の同時接続 276(3桁)
取れなかった: 販売本数
Luck be a Landlord — 対照群。発火しなかった1本
個人1名(TrampolineTales)。早期アクセス 2021-01。
発火: 385 で12本中最小。 Balatro と同じ「回して役を作るローグライト」で、出たのは3年前
長持ち: 今日の同時接続 109。残存指数 94.4。同接は Content Warning(495)より小さいのに、レビュー総数が 1/14 なので指数では上に来ます
なぜ並べたか: 「良い輪を作れば発火する」は成り立たない、という反例として置きました。中毒と長持ちの装置を持っていても、発火の装置が無ければ 11,542レビュー(Balatro の 5.8%)で止まる(店頭ページ)
取れなかった: 開発者本人が発火について語った一次情報
スイカゲーム — 発火が発売日と無関係に起きうることの、最も強い証拠
小規模(Aladdin X。自社プロジェクタの内蔵ゲームが出発点)。Switch 版は 2021年12月発売。
発火: 無料部分に書いたとおり、点火は発売の約21か月後。約1年9ヵ月で約2,300DL → その後2か月で366万DL(約1,590倍)(ファミ通.com のメール取材・2023-11-08)
中毒: 1手で落とすだけ。「あと1つで届いた」が毎回起きる。開発元は240円という価格も要因のひとつに挙げています
長持ち(片面だけ取れました): 公表値は 366万(2023-11)→ 1,000万(Aladdin X の公式発表・2024-07-05)→ 1,300万(公式サイト。2026-09-20 に取得して確認)。Switch では続いています。 一方 iOS では別の絵になっていて、これは後の「穴2」に書きます
取れなかった: 開発の人数・工数。1回あたりの実測分数。Switch と iOS の内訳DL数
モバイル継続型3本 — 規模は真似できない。装置だけ借りる
この3本は上の12本の計算に入れていません(同じ物差しが無いため)。装置の証拠にだけ使います。
Wordle(個人1名 Josh Wardle → NYT が買収): 発火の装置は 結果を絵文字の升目で貼れる形。しかもこれは本人の設計ではなく、ニュージーランドのプレイヤーが発案して本人が後から実装したものだと、同じ記事に書かれています。人数は 90人(2021-11-01)→ 30万人(2021年12月末)→ 1,000万人超(2022年1月)。ただしこれは記者(Karl Vick)の地の文で、Wardle 本人が語った言葉ではありません(TIME・2022-02-01)。長持ちの装置は 毎日変わる同じ盤+連勝記録で、2024年に 53億プレイ(点火は 2022-01 なので、2年後にあたります)。出どころは NYT が出した2024年のゲームのデータで、NYT Games の editorial director(編集ディレクター) Everdeen Mason が TODAY で明かしたものです。プレスリリースではありませんが、数字を出したのは NYT 自身です(TODAY)。今日測った NYT Games アプリ US 4.7976★・293,375件
Block Blast!(Hungry Studio): 会社自身の発表で DAU 7,000万・MAU 3億・200超の国(2026-03-13、配信の写し。一次配信元は HTTP 403 で本文を取れず、同じ発表を配信した写しから取りました)。DAU/MAU = 23.3%。中毒の装置は「引く → 揃える → 消える」の1操作、1回が数十秒。今日測った Apple の公開API で US 4.8739★・2,712,216件、JP 4.78409★・356,285件
Royal Match(Dream Games): 投資家の発表文にある表現は「the global #1 puzzle game by revenue」だけで、算出根拠も調査会社名も書かれていない宣伝文です。だから数字としては扱わず、「大手が最上位を占めている」という傍証にとどめます(出典)。今日測った Apple の公開API で US 4.69083★・3,823,399件、JP 4.4042★・648,392件
取れなかった: どちらも継続率(D1/D7/D30)の会社自身による発表。 Royal Match の収益額(出回っている値は調査会社の推計であって会社の発表ではないので使いません)
この3本から個人が借りられるのは「1操作・1回が数十秒」と「絵文字の升目・1日1問・連勝」だけです。 伸ばし方(広告買付け・大量のA/Bテスト)は個人では回せません。
長持ちの装置は、2つしかなかった
12本を並べ直すと、今日の同時接続が5桁・4桁だった7本は全部どちらかを持っていました。 2桁まで落ちた1本は、どちらも持っていない。
まだ見ていない組合せ — 「◯種類 × ◯種類」と数で言えるもの
毎回違う相手 — 人間が同席する、または毎日変わる同じ盤がある
発火と長持ちを両立した4本
銘柄 発火 今日の同接 何で長持ちしているか
-------------- ---- ---------- ----------------------------------------------------------------------
PEAK 4位 5桁 毎回違う人間と登る + 無料の生物群系追加で2回目の山(1.77倍)
R.E.P.O. 3位 5桁 毎回違う人間 + 物理の事故 + 無料の大型更新を数か月おき
Slay the Spire 11位 4桁 未見のカードの組合せ。発火をほぼ捨てて長持ちだけで8.8年
Balatro 7位 4桁 150種のジョーカーの未見の組合せ + 無料コラボ更新で2回目の山(1.74倍)この4本に共通するのは、1回の中身が有限でないこと。 組合せ(Balatro・Slay the Spire)か、同席する人間(PEAK・R.E.P.O.)か、どちらかで「まだ見ていないもの」が尽きない。
中毒だけで消えた4本
銘柄 発火 今日の同接 何が尽きたか
----------------- ---- -------------------- -----------------------------------------------------------------
8番出口 10位 2桁(12本中ただ1本) 異変を全部見たら終わる
Content Warning 8位 3桁 初日無料620万人・同接20万超だったのに、今日 495人
Buckshot Roulette 6位 3桁 本数400万・遊んだ人900万超と言われているのに、今日 774人
Lethal Company 2位 4桁の下端(減少中) 発売2か月でレビュー履歴の43.7%。総レビュー数1位なのに今日 2,039人この4本に共通するのは、1回の中身が有限なこと。 異変の総数・月の種類・盤面が1つ。中毒(もう1回押す理由)は強いのに、押し切ると在庫が尽きる。
オンライン協力プレイは、発火を買うが長持ちは買わない
12本を「オンライン協力あり6本/なし6本」に機械的に割って(店頭データの categories に "Online Co-op" があるかで判定)、中央値を出しました。
測ったもの 値 読み方
--------------------------- ------------------------------------ ------------------------------------------------------------------------------------
協力あり6本の発火量の中央値 49,560 協力プレイは発火の中央値を約13倍にする
協力なし6本の発火量の中央値 3,834
協力ありの残存指数の中央値 182.2 長持ちの差は1.77倍にとどまる
協力なしの残存指数の中央値 103.15
発火量の上位3本 Schedule I・Lethal Company・R.E.P.O. 3本とも協力プレイ持ち
今日の同接が5桁の2本 PEAK・R.E.P.O. どちらも協力プレイ持ち
今日の同接が2桁の1本 8番出口 協力プレイなし。ただし協力なしの他5本は3桁以上なので、協力の有無だけでは説明できない発火の中央値が 約13倍 違うのに、残り方の差は 1.77倍しかない。 協力プレイを持つ6本(Schedule I・Lethal Company・R.E.P.O.・PEAK・Vampire Survivors・Content Warning)の今日の同接は、5桁から3桁まで散っています。
協力プレイは発火用の装置です。 通信の実装費を払うなら、「発火を買っている」という自覚を持って払うことになります。個人1名・iOS 中心という条件でその費用が見合うかどうかは、この記事では判断していません。
(中央値は statistics.median() で計算しています。6本を並べて4番目を取るのは中央値ではありません。 n=12 は小さい、ということも書いておきます。)
2回目の発火は、1回目より大きいことがある
発売月が生涯の山になるとは限りません。発売月より大きい山を後から作った4本。
銘柄 発売月 生涯最大の月 倍率 何を足したか
----------------- ------ ----------------- ------ ------------------------------------
Buckshot Roulette 15,610 26,393(2024-11) 1.69倍 後付けのマルチプレイ(2024-10-31)
Balatro 12,715 22,108(2024-11) 1.74倍 無料コラボ更新 + 受賞ノミネート
PEAK 36,820 65,330(2025-11) 1.77倍 無料の生物群系追加 + 受賞ノミネート
Slay the Spire 1,007 8,099(2019-11) 8.04倍 特定できず(後述)4本のうち3本は「後から無料で足した物」で山を作っています。 しかも足したのは、Balatro の場合は見た目だけ。
Slay the Spire の 8.04倍だけは、原因を特定できませんでした。 当時の開発元のお知らせは週次の進捗報告だけで、大型更新はその2か月後。セールか外部の話題かを確かめられなかったので、原因は書きません。
企画に落とすなら: 「半年後に無料で足す物」を、発売前に決めておく。何を最初のリリースから抜いておくかを1行で書いておく。
スイカゲーム型を今から iOS で選んだ場合の穴3つ
「スイカゲームみたいなヒット」を狙うとして、落ち物マージを題材に選ぶと何が障害になるか。審査・競合・長持ちの3つに分けます。
穴1: Apple の 4.3(b) は「必ず落ちる」条文ではないが、通るには条件がある
ここは原文で読む必要があります。途中で切ると結論が逆向きになるからです。 審査ガイドライン 4.3(b) の全文(developer.apple.com、2026-09-20 取得・2026-09-22 に再照合):
4.3(b) Don’t submit apps that are indistinguishable from what's already widely available. Opportunistically creating variants of existing app categories or popular apps degrades App Store discovery, reduces overall app quality, and harms both users and developers. Certain kinds of apps, such as dating, flashlight, sound effects, wallpaper, simple timers, and fortune telling, are well established on the App Store and we will not accept new submissions unless they offer a meaningfully different or improved experience. We may remove these apps from the App Store going forward if they are not updated, improved, or do not attract customers. Other kinds of apps, such as drinking games, Kama Sutra, fart, and burp apps, are mediocre, low-quality, or low-effort and do not add value to the App Store. Repeated submissions of this kind may lead to removal from the Apple Developer Program.
読み方を3つに分けます。
第1文(indistinguishable)は一般に効きます。 「既に広く出回っている物と見分けがつかない」に当たれば、ジャンルを問わず対象になる。落ち物マージはここに当たりえます。
列挙(dating, flashlight, sound effects, wallpaper, simple timers, fortune telling)は "such as" の例示で、落ち物マージは名指しされていません。 ゲームのジャンルは1つも挙がっていない。だから「落ち物マージ=リジェクトされる側の定義そのもの」とは、条文から言えません。
同じ文に、通る道が書いてあります。 "we will not accept new submissions unless they offer a meaningfully different or improved experience"。条文は「出すな」ではなく 「意味のある違いか改善を用意せよ」 と言っている。これは審査の話であると同時に、この記事の後半の判定表そのもの(何を新しく足すのか)でもあります。
あわせて 4.1(a)(Copycats)は、自分のアイデアで作れ、App Store で流行っているアプリをそのまま真似したり、名前や UI を少し変えて自分のものとして出したりするな、と書いています(同ページ)。
正しい結論はこうです。 「必ず落ちる」ではなく、「第1文に当たりうるので、meaningfully different or improved experience を先に用意しない限り、審査で止まる恐れがある」。
穴2: 同じ棚に多数が並んでいて、本家が最上位にいない
2026-09-20 に Apple の公開検索APIで数えました。まず数え方の限界をはっきりさせます。
「スイカゲーム」で引いて返る 178本(2026-09-20 取得)は、キーワードに一致した本数であって、落ち物マージの本数ではありません。 この178本には LINE バブル2(シューティング)・すみすみ・ミニオンラッシュ(ランゲーム)・Temple Run・フルーツ飴の達人(ASMR/料理) といった無関係なものが混ざっています
返る本数も並び順も、日ごとに変わります。 同じ検索を 2026-09-22 19:33 JST に回し直すと、返ったのは 177本で、評価件数の首位は落ち物マージではない Crowd City(309,306件) でした。だからこの記事は、検索結果全体を評価件数で並べた順位を主張しません。 下の比較表は、題名から落ち物マージと分かる物だけに絞ってあります(値は 2026-09-20 のもの)
名前と説明文にマージ系の語が出るものを機械で拾うと 88本。ただしこれは上限の目安で、米国側の同じやり方は Happy Hospital(ASMR)や Manor Cafe(マッチ3)を拾ってしまうことを確認しました
取れなかった: 落ち物マージの正確な本数。 1本ずつ起動して確かめる以外に方法がなく、やっていません。推測で埋めません
確かなのは、題名だけで落ち物マージだと分かるものに絞った、次の比較です。
ストア アプリ 提供元 評価件数 星
------ ------------------------------ --------------------------------- -------- ------
日本 シンカゲーム - スイカ合成 UNIVERSAL MOBILE GAMES TECHNOLOGY 247,634 4.57
日本 Fruit Merge™: Match Game Brave HK Limited 25,988 4.06
日本 QSWatermelon : フルーツマージ QKINGGAMES 13,203 4.64
日本 スイカゲーム-Aladdin X(本家) XGIMI LIMITED 4,270 3.7555
米国 Fruit Merge™: Match Game Brave HK Limited 313,178 4.5231
米国 Suika Game-Aladdin X(本家) XGIMI LIMITED 158 3.8418(取得日 2026-09-20。出典: 検索API ・ 本家 JP ・ 本家 US ・ Fruit Merge US)
本家は1,300万DLの世界的ヒットでありながら、iOS の App Store では、題名からマージと分かる他社製品に日本で58倍・米国で1,982倍の評価件数差をつけられています。 新規参入者が入っていくのは、本家が既に最上位を取れていない棚です。
穴3: 長持ちの装置が無い
本家の発火は Switch 上で、発売から21か月後に、実況経由で 起きました。これは「作った物の出来」ではなく 「置いた場所と拾われ方」 で決まっています。個人開発者が iOS で再現できる要素は、この3つのうち1つもありません。
さらに落ち物マージは、上で名指しした 「中毒だけで消えた4本」と同じ形をしています。 1回の中身が有限(同じ盤・同じ果物の列)で、まだ見ていない組合せも、毎回違う相手もいない。仮に発火しても、8番出口(今日の同接が2桁)と同じ落ち方をする見込みが高い。
この節の結論
題材としての落ち物マージは採りません。 理由は穴3(長持ちの装置が無い)と穴2(棚の上位が既に埋まっている)で、穴1(審査)は「必ず落ちる」ではなく「意味のある違いを先に用意しないと止まる恐れがある」 という強さです。だから理由の一番手には置きません。
スイカゲームから採るべき装置は2つだけ。
1手で終わる操作(落とすだけ)
「あと1つで届いた」が毎回起きる
この2つを、長持ちの装置(未見の組合せ/毎回違う相手)を持つ別の題材に載せる。
企画の判定表(13列)

ここまでの実測を、企画を採点する形に落とします。埋まらない列が、そのまま穴です。 数字は企画時点では書けないので、「何を置くか」を1行で言えるかどうかで採点します。
層 列 埋めるもの 埋まらないときに起きること 12本での裏づけ
------ ----------------------------------- ----------------------------------------------------------------- ----------------------------------------------------- ----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
発火 A. 1本の動画になる長さ 「1回 ◯分で、見せ場は◯◯」と言えるか 実況に乗らない=発火量が3桁で止まる 8番出口(¥329・数分)は発火 2,826、Luck be a Landlord(発火の装置なし)は 385
発火 B. 真似したくなる失敗 「見ている人が『自分ならこうする』と言う瞬間」を1つ名指しできるか 動画が「上手い人の記録」になり、広がらない PEAK=落ちる/R.E.P.O.=物を割る/Content Warning=叫ぶ
発火 C. 同席する人間 オンライン協力があるか 発火量の中央値が 49,560 → 3,834 に落ちる(約13倍差) 発火上位3本が3本とも協力プレイ持ち。ただし残存指数の中央値の差は1.77倍しかない=発火用の装置
発火 D. 値段と出し方 ¥1,000以下か/無料デモか/初日無料か 見つけてもらう前に財布で止まる Schedule I=発売前デモ170万人/Content Warning=初日無料620万人/Buckshot=¥350/Tiny Glade=デモで100万ウィッシュリスト/スイカゲーム=開発元が¥240を要因に挙げている
発火 E. 2回目の発火の仕込み 「半年後に無料で足す物」を発売前に決めてあるか 発売月が生涯の山になり、以後下がるだけ Buckshot 1.69倍・Balatro 1.74倍・PEAK 1.77倍・Slay the Spire 8.04倍
発火 F. 発火は発売日に起きるとは限らない 「1年後に拾われたとき、まだ遊べる形で置いてあるか」 拾われる前に引っ込めてしまう スイカゲーム=約1年9か月で約2,300DL → その後2か月で366万DL
中毒 G. 1回が必ず閉じる 「◯◯したら終わり」と1行で言えるか 始める判断が重くなり「もう1回」が起きない Vampire Survivors=30分/PEAK=登頂か死/R.E.P.O.=搬出か全滅
中毒 H. あと1つで届いた感 失敗の瞬間に「惜しい」と言わせる形があるか 負けが「理不尽」になり離脱する スイカゲーム=あと1つ/Balatro=あと1倍率
中毒 I. 毎回変わる出目 何が毎回変わるかを1つ名指しできるか 2回目が1回目の反復になる R.E.P.O.=物理の事故/Balatro=引いた札
長持ち J. まだ見ていない組合せ 「◯種類 × ◯種類」と数で言えるか 30日後に開く理由が無くなる Balatro 150ジョーカー/Slay the Spire 350枚超(この2本は今日の同接が4桁)
長持ち K. 毎回違う相手 人間が同席するか/毎日変わる同じ盤があるか 同上 PEAK・R.E.P.O.(今日の同接が5桁の2本)/Wordle(1日1問・連勝)
長持ち L. 自分が作った物が残るか セーブに「見せられる成果物」が残るか 開き直す動機が「義務」になる Schedule I=拠点/Tiny Glade=庭
長持ち M. 1回の中身が有限でないか 「全部見たら終わる物」が中心になっていないか 中毒だけで消える側に入る 8番出口=今日の同接が2桁で12本中ただ1本/Buckshot=本数400万・人900万超でも今日は3桁使い方
A〜F のうち3つ以上、G〜I のうち2つ以上、J〜M のうち2つ以上が埋まらない企画は立てない。
特に J・K が両方空欄の企画は、発火しても30日後に消えます。 今日の実測で、消えた4本は全部ここが空欄でした。
埋める順番
J・K(長持ち)→ G〜I(中毒)→ A〜F(発火)。
発火から決めると、12本のうち「中毒だけで消えた4本」と同じ形になります。あの4本はどれも、発火と中毒の装置は持っていた。持っていなかったのは J・K だけです。
この判定表の裏づけに、順位は1つも使っていません。 使っているのは同時接続の桁(3回の測定で不動)と中央値だけです。
この分け方が効かない点(正直に)
売り物なので、効かないところも全部書きます。
残存指数は、この記事のために作った自作の物差しです。 業界の標準でも Valve の公式指標でもありません。企画の合否に使ってはいけません。 使えるのは桁の区別までで、「PEAK は Lethal Company の10.5倍長持ちする」のような倍率の主張は、私はしていません
同接が3桁以下の帯では、11分で順位が入れ替わります(実際に10位と11位が逆転しました)。この帯は順位でなく桁で読んでください。桁は3回の測定すべてで動きませんでした
Steam のレビュー数は「新しく買った人」の代理値で、既存プレイヤーの継続ではありません。 だから発火の測定にだけ使い、長持ちの測定には同時接続を使いました。2つを混ぜていません
発火(Steam購入分のみ)と残存指数の分母(全購入形態)で母集団が違います。 そろえる手段が公開APIにありません
モバイル3本(Wordle・Block Blast!・Royal Match)は計算に入れていません。 同じ物差しが無いためです
12本は全部 Steam です。 Steam の協力プレイ・早期アクセス・デモ・Next Fest は iOS に存在しない仕組みで、発火の装置のうち C・D・E は iOS ではそのまま使えません。これは後の「壊しにいった3点」でもう一度書きます
数え方(生ログ)
同じ手順で誰でも測り直せるように、叩いたものを全部書きます。 全部、無料の公開APIです。
いつ
作業日: 2026-09-20
レビュー履歴・店頭情報・レビュー総数: 17:34〜17:35 JST
同時接続の1回目: 17:36:48/3回目: 17:59:16(2回目は 17:47 に別の手で独立に測りました)
Apple の検索・照会: 17:39〜17:40/スイカゲーム公式サイト: 17:41:22
購入形態別のレビュー総数: 17:58:37
ファミ通の原文照合と、マージ系の数え直し: 18時台
同時接続は3回測りました。 本文の表に載せているのは 17:36 の値で、動いた分は本文に明記しています。
発火(月ごとのレビュー数の山)
curl -s "https://store.steampowered.com/appreviewhistogram/<appid>?l=english"返ってきた results.rollups[] の date(UNIX秒)と recommendations_up を使います。
バケットの幅は、連続する date の差で機械判定しました(7日が最頻=週バケット、28〜31日=暦月バケット)。結果は 週4本(PEAK・R.E.P.O.・Schedule I・Tiny Glade)/暦月8本。
週バケットは日割りで按分しています。 date を開始日とみなして7日に割り、1日ずつ暦月へ配り直しました(バケット内は均等と仮定。これがこの記事で置いた唯一の仮定です)。
按分しないと、こうなります。
銘柄 按分しない場合 按分後(本文の値) 差
------------- -------------- ------------------ ------
Schedule I 95,356 123,816 +29.8%
PEAK 31,907 36,820 +15.4%
R.E.P.O. 60,675 62,301 +2.7%
Tiny Glade 6,286 4,843 -23.0%
暦月で返る8本 動かない 動かない 0最大30%ずれます。ただし 按分しても12本の発火の順位は1つも動きませんでした(並べ直して確認済み)。
発火量 = 発売月と翌暦月のうち多いほう
山 = 生涯で最大の暦月
長持ち(今この瞬間に遊んでいる人数)
curl -s "https://api.steampowered.com/ISteamUserStats/GetNumberOfCurrentPlayers/v1/?appid=<appid>"12本を1回ずつ連続で叩き、同じことを 17:36 と 17:59 の2回やって差を取りました。
残存指数 = player_count ÷ レビュー総数 × 10,000
11分の間に 8番出口 45→53人(+17.8%)、Lethal Company 2,039→1,882人(-7.7%) で、残存指数の10位と11位が入れ替わりました。上位9位と12位は動きませんでした
同接の桁は、12本とも3回の測定すべてで同じでした。 だから本文の裏づけには、順位でなく桁を使っています
母集団のずれ
curl -s "https://store.steampowered.com/appreviews/<appid>?json=1&language=all&purchase_type=all&num_per_page=0"
curl -s "https://store.steampowered.com/appreviews/<appid>?json=1&language=all&purchase_type=steam&num_per_page=0"all と steam の total_reviews を比べました。
ずれ(all と steam の差) 銘柄
------------------------- ----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
50%超 Content Warning 55.7%
10〜20% R.E.P.O. 19.7%/Lethal Company 19.5%/Balatro 19.1%/PEAK 19.1%/Buckshot Roulette 12.8%/Slay the Spire 12.3%/Luck be a Landlord 11.5%
10%未満 Schedule I 8.7%/Tiny Glade 8.1%/8番出口 5.6%/Vampire Survivors 5.3%あわせて、レビュー履歴の合計が purchase_type=steam の好評数とどれだけ近いかも見ました(差は 2.4〜7.7%)。レビュー履歴APIは Steam購入分の好評だけを返していると読めます。
このずれは測定の雑音として残ります。 雑音は相関を 0 へ寄せる方向に働くので、下の「相関 0.21」を「関係が無い証拠」として強く使えません。だから結論を、相関ではなく1対1の比較に置きました。
価格・発売日・機能分類
curl -s "https://store.steampowered.com/api/appdetails?appids=<appid>&cc=jp&l=english"オンライン協力プレイの有無は categories[] に "Online Co-op" があるかで機械的に判定(有6本/無6本)。
開発元自身の発表
curl -s "https://api.steampowered.com/ISteamNews/GetNewsForApp/v2/?appid=<appid>&count=300"feed_type == 1(=開発元/発売元が自分で書いたお知らせ)だけを残し、本文を正規表現で洗いました。合計 741件を見て、売上・DL・同接の数字を書いた投稿が見つかったのは Content Warning 1本・Buckshot Roulette 6本・Balatro 2本・Tiny Glade 1本・Schedule I 1本 だけです。
PEAK・R.E.P.O.・Lethal Company・8番出口・Vampire Survivors・Slay the Spire は、開発元自身が本数を発表していません(0件)。 ネットに流れている数字は第三者の推計なので、使いませんでした。
Buckshot Roulette の6本は、1本ずつ原文に当たって単位を確かめました("copies sold" か "High Rollers" か)。
引いた投稿のURLは store.steampowered.com/news/app/<appid>/view/<id> の形に直して全11本を叩き、11本とも HTTP 200 を確認しています。
他社製品の数と、本家の位置
curl -s "https://itunes.apple.com/search?term=<検索語>&country=<jp|us>&entity=software&limit=200"
curl -s "https://itunes.apple.com/lookup?id=<trackId>&country=<jp|us>"ヒット数は resultCount。評価件数と星は userRatingCount / averageUserRating(丸めずに載せています)。
返ってきた178本は1本ずつ分類し直しました。名前と説明文(先頭700字)とジャンル欄に、合体/合成/マージ/merge/同じ果物/2048/落ち物 のいずれかが出るかで機械判定 → 88本。ただしこれは上限の目安です(米国側の同じやり方は ASMR ゲームやマッチ3を拾ってしまうことを確認しました)。
使った ID: スイカゲーム公式 6469114836、Fruit Merge™ 6471572249、Block Blast! 1617391485、Royal Match 1482155847、NYT Games 307569751。
この検索は日ごとに動きます。 同じ URL を 2026-09-22 19:33 JST に叩き直したところ、resultCount は 178 → 177、userRatingCount の首位は Crowd City(309,306件・落ち物マージではない) でした。検索結果全体の順位は、この記事の根拠に使っていません。 使っているのは、題名から落ち物マージと分かる物に絞った比較表(2026-09-20)だけです。
スイカゲームの現在のDL数
curl -s -A "Mozilla/5.0" "https://suikagame.jp/" -o suikagame_top.html
grep -o -E '[0-9,]{3,6}万[^<"]{0,20}' suikagame_top.html→ 1300万 の1件のみ。ページ上の表記は「1,300万ダウンロード突破」。
引用の照合
curl -s -A "Mozilla/5.0" "https://www.famitsu.com/news/202311/08323181.html" -o famitsu.htmlタグを外して、引用した文が原文に完全一致で1件だけ出ることを確かめました。Apple の審査ガイドラインと、Steam の開発元の投稿2本も同じやり方で照合しています。この記事に > で載せた引用は4つだけで、4つとも 2026-09-22 に原文を取り直して1字ずつ突き合わせてあります。 それ以外の他社の文章は、全部こちらの言葉に直して出典リンクだけ残しました。
相関と中央値
スピアマンの順位相関を自分で書いて計算しました。n=12、同順位なし。
測ったもの 値 読み方
-------------------------------- ----- -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
発火量と残存指数の順位相関 0.21 関係が見えない。ただし母集団のずれ(5.3〜55.7%)が雑音として乗り、雑音は相関を0へ寄せるので、「無関係の証拠」としては弱い
発火量と総レビュー数の順位相関 0.832 発火量は「合計で何本売れるか」はよく説明する
総レビュー数と残存指数の順位相関 0.462 売れた量と残り方の関係も、発火量ほど強くない中央値は statistics.median()。
総アクセス数(自分が出した呼び出しを1件ずつ数えました)
Valve の公開API: 101回
Apple の公開API: 22回
その他の curl: 3回(suikagame.jp・famitsu.com・投資家の発表ページ)
Web 検索: 10回
Web ページ取得: 13回(うち本文が取れず根拠に使えなかったのが4回)
費用は ¥0 です。 有料のデータサービスは使っていません。全部、公開APIと開発元自身の発表と、本人の発言です。
取れなかったもの(推測で埋めていません)
この記事には「取れなかった」が 27か所 あります。主なものを並べます。
販売本数の開発元自身による発表: PEAK・R.E.P.O.・Lethal Company・8番出口・Vampire Survivors・Slay the Spire・Tiny Glade の7本(Steam のお知らせ741件を機械で洗って0件)
1回あたりの実測分数: 12本全部
落ち物マージの正確な本数(上限の目安 88本までしか出せませんでした)
Slay the Spire が 2019-11 に 8.04倍の山を作った原因
Content Warning の all と steam のずれが 55.7% になる原因
Block Blast! / Royal Match の継続率(D1/D7/D30)の会社自身による発表、Royal Match の収益額
スイカゲームの Switch と iOS のDL内訳、開発の人数・工数
NYT社のプレスリリースとしての Wordle のプレイ数(発表ページをこの環境から取得できませんでした。上の53億プレイは NYT が出したデータですが、プレスリリースではありません)、買収額の確定値、買収前の日次継続率
開けなかった・使わなかった出どころ
NYT社のプレスリリースのページ — この環境から取得できませんでした。Wordle の数字は TIME の記事(記者の地の文)と、NYT Games の editorial director が TODAY で明かした値に置き換え、プレスリリースではないと本文に明記しています
Hungry Studio の一次配信元 — HTTP 403。同じ発表を配信した写しから数字を取り、本文にその旨を書きました
Lethal Company の「1,000万本」 — 第三者の推計であって開発者の発表ではないので、使いませんでした。同じ理由で Royal Match の収益額の推計も使っていません
引いた出どころのうち、ドメインが別用途に差し替わっていたものや、内容と無関係な広告サイトになっていたものは今回はありませんでした。 suikagame.jp は Aladdin X Inc. の表記が本文にあることを確認しています
自分の結論を壊しにいった3点
売り物として出す以上、いちばん弱いところを自分で書いておきます。
1. 結論を1対1の比較に寄りかからせたが、2本の選び方次第で逆の話も作れる(残っています)
結論は Slay the Spire 対 Lethal Company の比較に置きました。でも同じ12本から PEAK(発火4位・同接5桁)対 Luck be a Landlord(発火12位・同接3桁) を取れば、「大きく発火したほうがよく残っている」という逆の話が作れます。2本の比較は、選んだ人の結論を必ず支えます。
潰した分: 全体の相関(0.21)も併記し、そちらが雑音のせいで弱いことも書きました。結論の言い方を「発火が大きいほど長持ちしない」ではなく 「発火が大きくても長持ちするとは限らない」 という、反例1つで足りる弱い形に直しました。この形なら Slay the Spire 対 Lethal Company の1組で十分立ちます
残った分: 「発火の大きさと長持ちに関係が無い」ことは、この記事では証明していません。 12本では足りず、母集団のずれも残る。証明したのは「大きい発火が長持ちを保証しない」だけです
2. 「残存指数」は自作の物差しで、しかも発火とは別の母集団の上に乗っている(残っています)
同接 ÷ 総レビュー数 × 10,000 は、この記事のために作った数字です。業界の標準でも Valve の公式指標でもありません。さらに発火の測定(Steam購入分のみ)と分母(全購入形態)で母集団が違い、ずれは 5.3%〜55.7% とばらばらです。
潰した分: ずれを銘柄ごとに全部表にしました。3桁以下の帯では順位が11分で入れ替わることを実測し、判定表と結論の裏づけから順位を外して桁に置き換えました(桁は3回の測定すべてで不動)
残った分: この指数を企画の合否に使ってはいけません。 使えるのは桁の区別までです。30日後(2026-10-20)に同じコマンドで測り直して、桁が動くかを見る予定です。 1回の測定は「今日たまたま」の可能性があります
3. 12本が Steam に偏っている(一部潰した。偏りは残っています)
計算に使った12本は全部 Steam です。iOS で作る人にとって、Steam の協力プレイ・早期アクセス・デモ・Next Fest は存在しない仕組みで、発火の装置のうち C・D・E は iOS ではそのまま使えません。
潰した分: モバイル側を3本入れ、「真似できない規模」と明記して装置の証拠にのみ使いました。スイカゲームの節は Apple の公開APIで iOS 固有の数字を自分で数え、Steam の話を持ち込んでいません。判定表に F列(発火は発売日に起きるとは限らない) を足しました。これはスイカゲームという非Steamの1本からしか出ていない装置で、iOS にそのまま効きます
残った分: 偏りは残っています。 発火の C・D・E 列を iOS で何に置き換えるか(App Store の Today 掲載・TikTok・事前予約)は、この記事は1行も扱っていません。選ぶ条件が「発火が数字で追えるもの」だったため、数字が公開されない iOS 個人開発の発火事例が構造的に落ちています。 ここは別に調べ直す必要があります
まとめ
発火が大きくても、長持ちするとは限らない。 発火量で92倍の差がある2本が、今日、同じ桁しか残していない
長持ちの装置は2つだけだった。 「まだ見ていない組合せ」か「毎回違う相手」。残っている7本は全部どちらかを持ち、2桁まで落ちた1本はどちらも持っていない
オンライン協力プレイは発火を買うが、長持ちは買わない。 発火の中央値は約13倍、残り方の差は1.77倍
2回目の発火は、1回目より大きいことがある。 4本のうち3本は「後から無料で足した物」で山を作った
発火は発売日に起きるとは限らない。 約1年9か月で約2,300DL → その後2か月で366万DL
だから埋める順番は J・K(長持ち)→ G〜I(中毒)→ A〜F(発火)。 発火から決めると、消えた4本と同じ形になる
すべての数字は 2026-09-20 に公開APIから自分で取得しました。同じコマンドを全部書いてあるので、測り直せます。30日後に同じ測定をして、桁が動くかを見ます。
YOSHITAKE HIROTA
個人開発者。iOS を中心に、Unity / SwiftUI / SceneKit で作っています。