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画像なしで描いたウンチ図鑑ゲーム「Poop Maker」の作り方の記録

目次(19)
  1. 4つの文書から始めて、約7時間で最初の公開
  2. 画像を使わずに描く
  3. 18の形を、名前を隠して当てる
  4. ドット絵の1日も、点を並べたSVG
  5. 音も、その場で作る
  6. 判定を作って、測って、直す
  7. 仕様の文をそのまま書き写した判定と比べる
  8. 仕様の数字のままでは、和食で水様が84%
  9. 一度も出ない形が2つあった
  10. 図鑑の出せないマスを数える
  11. おなかの調子の顔は、点数で決める
  12. 顔と動きを足した経緯
  13. 迷って決めたこと、やめたこと
  14. 予定表の画面にはしなかった
  15. 再生の長さは2回変わった
  16. 外出は1つにまとめ、見出しだけ「うんこ」
  17. やめたこと
  18. 手間がかかったところ
  19. 作ってわかったこと

4つの文書から始めて、約7時間で最初の公開

「Poop Maker」は、1日の食事と過ごし方を1時間ずつ選んで、翌朝のウンチを図鑑に集めるブラウザゲームです。この記事では、作る途中で何を決め、何を測り、何を直したかを、記録に残る日付と数字のまま書きます。

始まりは2026年10月18日の1時36分です。仕様、決定事項、形や食べ物の一覧表、作業の決まりの4つの文書を渡し、実装はAIのClaude Codeに任せました。私の役目は、指示を出すことと、区切りごとにテストの結果や画面の写真を見て判定することです。仕様の文書にも、形の具体的な描き方は実装のときにClaude Codeに任せる、と書いてありました。

決まりは、サーバーを持たない、外部のサービスを呼ばない、ビルドの工程を置かない、画像ファイルを1枚も足さない、の4つです。作る順番も決まっていて、まず判定の計算をテストつきで作り、次に形の絵、最後に画面です。最初の公開は同じ日の8時40分台で、文書を渡してから約7時間でした。そのあとも顔、動き、喋る機能を足して、10月19日までに4回公開しています。

画像を使わずに描く

18の形を、名前を隠して当てる

いちばん大事な決まりは、18種の形をすべて別の輪郭にすることでした。同じ線の使い回しや、太さだけ変えた派生は禁止です。合格の基準は「全部を同じ標準の茶色で並べても、一目で区別できること」で、色や飾りを付ける前にこれを確かめる順番になっていました。

そこで、18種を標準茶で並べ、名前を隠して表示できる確認用のページを先に作りました。名前なしの一覧で18種すべてを言い当てられるようになりましたが、一度で通ったわけではありません。ソフトクリームが最初、とぐろに似てしまいました。一覧表では、ソフトクリームは1段の巻き、とぐろは3段以上の巻きで、どちらも巻いて積む形です。そこでソフトクリームは段の無い玉ねぎ形にして先を曲げ、とぐろは段々がはっきり見える3段にしました。

色は塗りの色を差し替えるだけで変わるように作り、虹と黄金だけをグラデーションにしました。ツヤや湯気、金粉などの属性は本体の上に重ねる絵です。

ドット絵の1日も、点を並べたSVG

「1日のスケジュールを決定したら、その通りに1日をドット絵で過ごしてください」。これは18日の6時39分ごろに私が出した指示です。画像を使わない決まりはそのままなので、ドット絵も横120×縦72の点を色ごとにまとめ、SVGの線として描いています。

場所は行動によって家の中、外、風呂場、トイレの前、会社、寝室と変わり、窓の空と壁の時計は時刻どおりに動きます。食事では選んだ品が器に並んで順に減り、ほうれん草は緑、カレーは黄色と図鑑の色で盛り付けます。そのあと「最後のトイレしてる姿も足してください」と頼み、便座に座ってふんばる場面まで足しました。

音も、その場で作る

はじめの仕様では、音は作らないことになっていました。それを同じ日の7時50分台に「bgmと効果音を全て入れて」と指示して変えました。音のファイルは使わず、ブラウザの中でその場で音を作って鳴らします。

できたのは曲7つ、短いジングル4つ、効果音45です。風呂を選ぶとカポーンと鳴ります。曲はすべて新しく作りました。困ったのは、作業をしているAIには音が聞こえないことです。そこで音の大きさは数値で測ってそろえ、全部の音に無音や音割れが無いことを確かめました。耳で聞いての判定は、1つずつ鳴らせる確認用のページを用意したうえで、私に頼まれる形になりました。

判定を作って、測って、直す

仕様の文をそのまま書き写した判定と比べる

判定の部分は、画面に触れない独立した計算として、テストと一緒に最初に作りました。最初の区切りでテストは20本です。確かめ方で工夫したのは、仕様書にある形と色の決め方の文を、そのまま条件分岐に書き写した別の判定をもう1つ作ったことです。食べ物と行動を合わせた170品を1個、3個、6個ずつ通したものと、乱数で組んだ3万日(前の日からの繰り越しつき)を両方に通し、形と色がすべて一致することを見ました。さらに、判定の順番をわざと入れ替えると一致しなくなることも確かめています。

仕様の数字のままでは、和食で水様が84%

判定が仕様どおりに動くようになって、次は出方を測りました。献立の型ごとに、どの形と色がどれくらい出るかを数える道具を作ったところ、仕様の数字のままでは遊びになりませんでした。

献立の型仕様の数字のまま調整したあと
ふつうの和食水様 84%バナナ 63%、とぐろ 28%
ダラダラで飛ばすスカ 97%バナナ 92%
ジャンクスカ 100%細長ヒモ 73%(色は明るい黄土 76%)

理想の形のバナナも、ほぼ出ませんでした。原因は1日の量です。1日は3食それぞれ3〜6品に自由行動が14回あるので、5つの数値の合計が、仕様のしきい値の3〜4倍になります。

そこで、仕様のしきい値と範囲の数字は1つも変えずに、判定の前に1日の合計を割ることにしました。繊維、水分、脂質、腸の動きは5で、刺激は3で割り、四捨五入してから判定します。前の日からの繰り越しも、割ったあとの値の3分の1です。この状態で、激辛の献立なら水様が67%になり、形18、色16、属性22がすべて出せることも確かめました。最初は仮の値として入れて案を出し、私が「おすすめで」と答えて正式に決まりました。

一度も出ない形が2つあった

測ってわかったのは割合だけではありません。仕様のままでは一度も出ない形が2つありました。

  • 一本糞: 条件は「バナナの条件を満たし、かつ繊維8以上」でしたが、バナナの条件に「繊維3〜7」が入っているので、両方を満たす日はありません。「繊維以外のバナナの条件に加えて、繊維8以上」と読むことにしました。
  • 粘液コーティング: 形の決め方の優先順に、そもそも入っていませんでした。一覧表の「刺激が高く、脂質も高い」という目安から、泡状の次に「刺激5以上かつ脂質7以上」として入れました。

ほかにも、特殊属性22種の条件は一覧表に矢印でしか書かれていなかったので、すべて仮の数値を置きました。浮くと沈むは同時に付けない、といった組み合わせの決まりもここで足しています。色の決め方に出てくる「肉の主菜」の印も一覧表に無かったので、23品を肉として扱いました。こうした仕様に無いところは、勝手に決めずに「仮にこうした」「おすすめはこれ」と書き出して、私の答えを待つ形にしていました。

図鑑の出せないマスを数える

図鑑は形18×色16の288マスです。マスごとに出せるかどうか、出せるならどんなレシピかを調べる道具を作って数えると、決まりの上でどうやっても出ないマスが41ありました。

出せない理由マスの数
黄金はバナナと一本糞にしか付かない15
スカは色が無く、「幻」の1マスだけ15
深緑はバナナ系やヒモと両立しない5
白っぽいはバナナ系、とぐろ、つぶつぶ入りと両立しない5
粘液コーティングは標準茶にならない1
合計41

仕様では、未発見のマスはすべて「?」で、進み具合は288マスで数えることになっていました。これだと、どれだけ遊んでも100%になりません。出せないマスは横線の印にして全体から外し、247マスで数える案を出して、私が「おすすめで」と答えて決まりました。出せないマスの一覧は、この数える道具から作っています。

おなかの調子の顔は、点数で決める

このゲームは数値を画面に出さず、おなかの調子を5段階の顔で見せるだけです。その計算式は仕様で決まっていなかったので、実装の側で決めました。水分−1〜5、脂質4まで、腸の動き−2〜2、刺激3までを快適な幅とし、そこからはみ出した分を点にして足します。刺激は1.5倍、トイレの我慢は1回2点です。0点なら快調で、2点ごとに顔が1段下がります。足りない分は数えません。朝はまだ何も食べていないからです。

顔と動きを足した経緯

最初の公開の前後で、ウンチの見た目は大きく変わりました。どれも私の一言から始まっています。

日時私の言葉足したもの
10月18日 8時30分台「最後のうんちですがモーションがあるといいなと思いました」上から便器に落ち、しぶきと波紋、つぶれて弾み、浮く物は水に揺れる
10月18日 8時30分台「タイトル画面もゲームスタート押したら、まずはうんちが流れて終わってからスタートするようにして二日目以降も同様」始める前と翌日へ進む前に、渦とジャーの音で回りながら流れる(約1.3秒)
10月18日 10時10分台「うんちですが顔をつけるのはどうですか ^_^とか( ・∇・)とか」「手足もあるといいな」顔と手足。表情とポーズは形の様子から4種類
10月18日 10時20分台「良い感じ 色にもよって別の顔にして」目を色ごとに16通り
10月18日 10時20分台「うんこ出た後にうんこの動きが欲しいです。せっかく顔と手足があるので」表情ごとの動きとまばたき
10月19日「うんち登場時に喋るようにして」「音声を入れて」吹き出しと読み上げの声

顔を付けるときに守ったのは、18種の区別は体の形だけで成り立たせることです。顔は上に乗せる飾りで、輪郭は変えていません。水様とスカと、図鑑の小さな絵には付けていません。濃い色では顔を明るい線で描き、平たい形や細い形は足なしです。

口とポーズは形ごと、目は色ごとなので、形と色の組み合わせごとに違う顔になります。明るい黄土は満腹の ˘ ˘、深緑は落ち着いた −_−、紫は横目、白っぽいは ×_× で頬なしです。288通りを全部描いてみて、崩れが無いことを確かめました。

動きは、落ちて弾み終わる1.2秒から始まり、吹き出しは1.3秒に便器のタンクの上へ出ます。字は1字ずつ出て、端末の読み上げの声で喋ります。声の高さと速さは表情ごとで、わーいは高く速く、ふんばりは低く、へなへなはゆっくりです。声は端末の中にある声だけで、外のサービスも音のファイルも使いません。その言葉の声が無い端末では、字に合わせて「ピポポ」と鳴らします。Macの英語のおもしろ声は使わないようにしています。6通りの画面を撮り、吹き出しがウンチに重ならないことを見ました。動きを減らす設定にしている端末では、動きを止めます。

迷って決めたこと、やめたこと

予定表の画面にはしなかった

「1日のスケジュールを決定したら」をどう読むかで迷いました。仕様の1日画面は、1時間ずつ行動を選ぶ形です。17コマを全部先に埋める予定表の画面に作り直す道もありましたが、選び方はそのままにして、「就寝」か23時の行動を選んだ時点を「決定」とみなしました。それまであった「夜」の画面は、この再生の中に入れています。

再生の長さは2回変わった

1日の再生は最初、ふつうの日で約16秒、長くても20秒でした。トイレの中の場面を足して約19秒になりました。そこで私が「おすすめで 1日の再生はもっと遅くして」と答え、前の約1.7倍、ふつうの日で約32秒、長くても36秒にしました。結果は再生の前に決めて保存するので、途中で閉じても変わりません。

外出は1つにまとめ、見出しだけ「うんこ」

自由行動に外出を足すときは、買い物や外食に分けず1つだけにしました。指示は「外出は一括りで入れて 背景はショッピングモールで」です。絵はショッピングモール、曲もモールの曲で、選ぶと館内のチャイムが鳴ります。

タイトルの見出しは「タイトル画面についてバズるようなタイトルにして」という指示から、「きょうのごはんは、あしたのうんこ。」にしました。強い言葉は見出しだけで、ゲームの中はウンチ(韓国語は응가)のままです。英語と韓国語の訳では、形の短い名前を図鑑の欄に収まる長さにしました。ソフトクリームの英語はConeです。

やめたこと

  • 音を作らない、という最初の方針。BGMと効果音を全部入れることにしてやめました。
  • 宣伝動画の黄金。最初は黄金のバナナが出る回を撮りましたが、「動画ですが黄金はレアなので普通のに変更して」と頼み、標準茶のとぐろで撮り直しました。投稿の文にあった「完璧な1日を過ごすと、黄金のうんこが出ることも。」も外しました。
  • 英語版の動画と英語の入口ページ。「英語国にも届けたい」と相談すると案は出ましたが、日本語の投稿に日本語と英語のタグを1つずつ付け、動画を添えて、リンクは返信に置く形に決めて、作りませんでした。

手間がかかったところ

1つ目は宣伝動画の音です。X用の縦の動画は32.7秒で、音にはゲームのBGMと効果音そのものを使いました。撮りながら、どの時刻にどの音を鳴らしたかを記録しておき、同じ時刻どおりに音を作り直して重ねています。結果の乱数は決めた値にして撮りました。黄金は条件を満たした日の25%なので、当たりの回を狙って撮るためです。普通の結果に撮り直すときは、運の要素がどれも当たらない値にしました。

2つ目は、喋る場面の動画です。ゲームの読み上げの声は、画面を出さずに動かす録画の方法では録れませんでした。そこでゲームと同じMacの日本語の声(Kyoko)を別に書き出し、表情ごとに音程を上下させて重ねました。声はBGMより約10dB上です。5つの場面を並べた21.5秒の正方形の動画になりました。

3つ目は公開です。同じサイトには別のゲームも置いていて、最初の公開の直前、8時33分にそちらが公開されていました。そこで触る前と後の差を見て、自分の追加だけであることを確かめてから置きました。10月19日の公開でも、変わったのがこのゲームの7つのファイルだけであることを確かめています。公開のたびに本番で動かして、エラーが0であることを見ました。

作ってわかったこと

  • 紙の上で決めた数字は、1日分を足すと大きさが変わります。合計が3〜4倍になるだけで、和食の日の84%が水様になりました。出方を数える道具を作って初めてわかったことです。
  • 仕様の中の食い違いは、読むだけでは見つかりにくく、動かして数えると見つかります。一本糞と粘液コーティングが一度も出ないことも、図鑑の41マスが出せないことも、数えて出てきました。
  • 仕様の文をそのまま書き写した判定と突き合わせると、どこかの順番を間違えたときに気づけます。テストは最初の20本から、10月18日の10時台には40件まで増えました。
  • AIが音を聞けない、声を録れないところは、大きさを測る、声を別に書き出すといった別の方法で補いました。耳での判定は私の役目です。
  • 見た目の大きな変化は、短い一言から生まれました。顔、色ごとの目、出たあとの動きは、最初の公開のあと、10月18日の10時台のうちに足しています。